非器質性精神障害と後遺障害の申請について
1 非器質性精神障害とは
非器質性精神障害とは、脳の損傷を伴わない精神障害のことをいい、うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)といったものがあげられます。
高次脳機能傷害が脳の損傷を伴うのに対し、非器質性精神障害は脳の損傷を伴わないため、交通事故によって生じたかが争いになるケースも少なくありません。
2 非器質性精神障害の特徴
非器質性精神障害は、画像上の異常所見がなく、主に自覚症状のみであるため、その証明に困難が伴うことがあるといった特徴があります。
また、非器質性精神障害は交通事故以外の原因で生じることもあるため、原因の特定に困難が伴うこともあります。
さらに、非器質性精神障害は、心理的な負荷を取り除き、適切な治療を行えば、多くの場合半年~1年、長くても2~3年の治療で回復することが一般的と言われているため、後遺障害として認定されるためのハードルが高いという傾向もあります。
3 後遺障害を申請する場合の注意点
非器質性精神障害について後遺障害の申請を行う場合には、2に記載した特徴をふまえて対応することが大切になります。
そのためには、事故後に非器質性精神障害の症状が出た場合には速やかに専門医の診察を受け、症状をしっかりと伝えること、きちんと通院して継続的に専門医の診察を受けること、症状固定の時期や残存している症状が改善しないといえるかといった点について医師に明確に判断してもらうこと等が重要になります。
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