交通事故・後遺障害
弁護士への相談を交通事故の直後にするメリット
1 手遅れとならないために
交通事故の被害者から、問題が生じた後、相談を受けることがよくあります。
しかし、問題を解決するには手遅れとなっているケースがあり、弁護士は、もっと早く相談にきてくれたらよいのにと思います。
弁護士は、交通事故の直後に相談を受けると、その被害者の方が置かれた状況に応じて、今後生じ得る問題点を予見し、問題点に備えるために適切なアドバイスをすることが可能となります。
2 捻挫後の後遺障害の例
例えば、「事故で捻挫して接骨院に通院していましたが、保険会社から症状固定時期だから後遺障害診断書を作成するようにと言われました。でも、ここ何か月か病院には行っていないので、整形外科の先生から後遺障害診断書を書けないと言われました。どうしたらいいでしょうか」というご相談です。
捻挫に伴う症状について後遺障害を申請する場合、通常、被害者の治療にあたった整形外科の医師が後遺障害診断書を作成するとこころ、治療の途中で整形外科の受診を中断してしまうと、症状の経過を確認していない医師にとって後遺障害診断書の内容を書くことが困難な事態が生じます。
弁護士は、このような相談を受けても、過去の通院状況を変えることはできないので、後遺障害等級が認定されるための最適な助言をすることが叶わず、次善の策や善後策を検討するしかありません。
3 安心して治療を続けるために
また、多くの被害者は、事故で怪我をした経験がなく、加害者の保険会社が治療費を支払っていても、この先、怪我が治るまで治療費を支払ってくれるのか、どのような手続きで賠償金が支払われるのか等が分からず、不安に感じています。
加害者の保険会社からいろいろな説明をされても、何を言っているのか分からないという方も少なくありません。
加害者側の言葉をどこまで受け入れてよいのか、あるいは、どこまで受け入れなければならないのかについて判断することも困難でしょう。
弁護士は、交通事故の直後に相談を受けると、通院する際の注意点やこの先の一般的な流れを説明したり、加害者の保険会社の言葉にどのように対処すべきか具体的なアドバイスをすることができます。
過失割合のトラブルでお悩みの方は弁護士へ
1 過失割合とは
交通事故の過失割合とは、交通事故の当事者が、事故の責任について負担する割合のことをいいます。
停止していたところ後続車両に追突された場合や、交差点で青信号直進中に信号無視の車両に衝突された場合には、過失割合0;100で、相手方と争いになることはほとんどありませんが、事故状況によっては、過失割合について争いになるケースもあります。
2 過失割合が争いになるケース
過失割合について争いになるケースとしては、信号のない交差点での出合い頭での衝突事故、車線変更による接触事故といった双方の車両が動いている時の事故が挙げられます。
また、車両とバイクの事故や車両と自転車の事故で、それぞれの走行状況や位置関係等で過失割合が争いになるケースもあります。
3 過失割合が争いになった場合の対応
交通事故の過失割合については、実務上、『別冊判例タイムズ38号 民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂5版』を参照するのが一般的です。
この書籍には、事故類型毎に基準となる過失割合や過失割合の修正要素、修正割合等が記載されており、過失割合に争いがある場合には、まずこの書籍をふまえて協議することが多いです。
もっとも、全ての事故類型が網羅されているわけではないため、この書籍に記載のない事故類型の場合には、類似事例などもふまえて、過失割合を検討することになります。
4 過失割合の解決方法
過失割合は、機械的に決まるものではないため、最終的には当事者双方の協議によって決めることになります。
当事者間の協議によって折り合いがつけば、話合いで解決できますが、もし折り合いがつかない場合には、裁判等で解決を図ることもあります。
5 過失割合のトラブルは早めに弁護士に相談を
過失割合は、物的損害の話合いの際に協議されることが多いですが、そこで決まった過失割合は人的損害にも適用されるのが一般的です。
そのため、過失割合で不利益を被らないためにも、過失割合について疑問がある場合や相手方と協議が整わない場合には、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
交通事故の賠償金はいつ受け取れるのか
1 原則は治療終了後になる
交通事故の賠償金の受け取り時期は、原則、治療終了後になります。
交通事故の賠償金の項目には、治療費、通院交通費、休業損害、傷害慰謝料等がありますが、治療費の総額が分かるのは治療終了後であるうえ、傷害慰謝料は通院期間や通院日数をもとに計算するのが一般的なためです。
なお、後遺障害の申請を行う場合、通常は、後遺障害の申請結果が出た後に具体的な示談の話になります。
2 治療中に支払いがされるケースもある
交通事故の賠償金を受取れるのは、原則治療終了後になりますが、相手方の保険会社によっては、入院中にかかった雑費、休業損害、既に発生した交通費等を先に支払ってくれるケースもあります。
そのため、治療中の場合でも、立替費用等がある場合や休業が続いて収入がないような場合には、相手方の保険会社に相談してみるとよいでしょう。
3 賠償金を受取るまでの流れ
交通事故でケガをした場合、相手方が任意保険に加入していれば、相手方の保険会社が対応してくれるのが一般的です。
その場合、通常は、相手方保険会社が治療費等を負担してくれ、治療終了後に、相手方保険会社から具体的な提案(「損害賠償額のご案内」等)が送られてきます。
その内容を確認して問題がない場合には、「承諾書」や「免責証書」といった書類を返送することによって、相手方保険会社から賠償金が支払われます。
なお、相手方が任意保険に加入していなかったり、相手方保険会社が治療費を負担してくれなかったりした場合は、立替えた治療費等を相手方の自賠責保険や相手方本人に請求していくことになります。
4 賠償金の提案があった場合は弁護士に相談を
相手方保険会社から提示される賠償金額は、弁護士基準と比べて低額なことが少なくありません。
また、休業損害を請求できる可能性があるのに考慮されていないケースもあります。
そのため、相手方保険会社から賠償金の提示があった場合には、すぐに示談せずに弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人心では、無料で示談金のチェックを行っていますので、ぜひご活用ください。